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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

あいつ今何してる?

2020.8.7 Fri

文春版の『黄金の石橋』を読んでいる。
『内田作品』は何度読み返しても、その度に新しい感動を与えてくれる。今回も緩鹿智美とのやりとりで、浅見に「青春とはそういうものだろうけれど……」と言わせるシーンがある。
そう! 振り返れば私にだって青春はあった。そして『寅さん』ではないけれど、振り返れば恥ずかしいことばかり……でもなかったけれど、でも高校時代は楽しかったなァ! と、しばらく漂っていた。
田舎の県立高校で、クラスは男子30人、女子20人だった。
3年生になっての一般教養(だったかどうだったか覚えてないけど)選択科目は音楽・家庭・図工の中から選ぶ。家庭は何だか縫ったりして提出しなければならないし、図工も絵を提出したのかな?
音楽は試験も出席の点呼もないので、大学進学を目指す者のほとんどが音楽を選択していたと思う。出席の点呼をとらないので、東大などの一流大学を目指す子は、その時間は図書室で勉強していたみたい。
私は目指すも何もないし、音楽は好きだからもちろん出席。その日の授業は先生が黒板に問題を書き「出来た順に見せなさい。これをもって今学期の出欠と通信簿の成績とする」だった。
黒板に「作品の頭にあるOPとは?」だの、たぶん「ケッヘルとは?」のような問題がずらり。
私は先生が問題を書くそばから答えを書いて(これ、自慢!)イの一番に提出。だって他の教科の成績が悪いのに、こういう問題が出来ないと言い訳が立たない。
教室を出ると図書室から出てきた男子とバッタリ! わりと仲のいい男子だったので「バカね!」とノートを見せ答えを写させた。男子はそのまま教室にこっそり戻って、セーフ!
その子とは高校を卒業してから一度も会ってないけど、何か青春映画みたい。
テレビ番組じゃないけど『あいつ今何してる?』

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2020.8.1 Sat 思い出