内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
思うだけ?
2016.10.10 Mon
以前からとても気になっている言葉遣いがある。
特に最近は『豊洲問題』や『オリンピック会場問題』の都議の審議会などで「~質問したいと思います」「~お答えしたいと思います」「提出していただきたいと思います」など『思います』のオンパレード。その度に「思うだけでいいの?」と、テレビに向かって文句を言っているのは、私がトシをとったせい?
なぜ「質問します」「お答えします」「提出してください」と簡潔に言わないのだろう。質疑応答の時間が決められているのに、時間が勿体ない。
それはスポーツ選手や、芸能人にも言えることだ。
「頑張りたいと思います」→「頑張ります!」
「食べてみようと思います」→「食べてみます」
「そこに行ってみようと思います」→「行ってみます」
そして某国の某総理大臣は国会で「思います」にプラスして「~というワケ(!?)であります」
一回の答弁で何回「ワケ」と「思います」を言っているのか数えてみようと思っているけど、文句に神経がいっているうちに、つい数え忘れてしまう。
言葉は時代と共に変わるというけれど、私が時代に乗り遅れているだけなのかな。
国語審議会でも、最近の『ら』抜きならぬ『ら』入れ言葉が問題になっていたっけ。そう言えば以前、日本橋のデパートで靴を買おうと思ってサイズを探していたら、きれいにメイクをしたお嬢さんがきどって「サイズを探してきます。そこに座られてお待ち下さい」って。ヒエッ?と思ったけど、言いますまい、言いますまい…だった。
人間は政治や世の中に文句を言っているとトシをとらないと、誰かが言っていたっけな。
若さを保つためにも、世の中にクレームをつけていてもいいか!