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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

2020.10.31 Sat

カリフォルニアの森林火災では、東京23区の何倍もの森が焼けたそうだ。
オーストラリアやカナダなど、近年、森林火災が頻発している。あんな森になるまでに、何年かかったのだろうと思うと、被災した動物もそうだけど、何年もかけて茂ったのに焼けてしまった木々のことを思うと心が痛い。元の森に戻るのにまた何年もかかるのだ。
テレビを見ていたら(なんだか私、テレビばかり見ているようだけど……、見てる)、北海道の帯広に『帯広の森』という人工の森があるという。郊外への無秩序な都市化の広がりを防ぐために作った、400万㎡の森らしい。
昭和50年ころに100年計画で植樹が始まり、100年も経たないうちにもう立派な森になっていた。いまでは市民はもちろん動物たちの憩いの場所になっていた。
人工の森といえば、ニューヨークのあの広大なセントラルパークも100%人工の森だ。
何年前だか数字は覚えてないけど、政府がネイティブアメリカンから何ドル(数字は忘れたけれど、私でも買える数字)かで買い(何だかネイティブの方たちが騙されたような気がする)、道路・建物・置き石・木の一本一本のすべてを計算して設計したのだそうだ。
セントラルパークだって、ニューヨーカーはもちろん動物たちの憩いの場所になっている。
またまた人工の森といえば、東京の真ん中にある神宮の森も人工の森だと聞いてびっくり。100年ほど前、学者や造園家たちが、100年計画で植樹をしたのだそうだ。
今年がその100年目だとか。しかし人間がその気になれば、森は100年を待たずに立派な森になるのだなあ。
為政者が立派だと自然豊かな森が出来る。あらためて『緑』は文化人のバロメーターだなと感じた。心を豊かに・穏やかにするなあとも思った。
何を隠そう。あのころは私が住む森も家を建てるときに、「なるべく切り倒した木の本数に近い本数を植えて下さい」と管理事務所から言われた。おかげでこの森の家の軒数は相当増えたのに、緑豊かな環境は保たれている。

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