内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
お正月日記
2021.1.7 Thu
相変わらずの『お籠もり援助物資』を送る日々。
あれほど外出自粛のお願いをしていても我慢できなのか、自分は大丈夫だと思っているのか、コロナ感染者は右肩上がりだ。
テレビを見ていたら、さる神社の初詣客がゾロゾロ。差し出されたマイクに答えて「コロナが早く収束するように願った……」そうだ。
神社に、こんなに多くの人が収束を願いに来てくれるなんて……と、幸せなようなそうでないような新年だ。
スペインに住む知人からのメールによると、スペインでは日本をお手本にしているのだそうだ。
「やっぱりマスクをしたほうがいいらしいよ」「やっぱり手を洗ったほうがいいらしいよ」と、日本を真似するようになり、例年だと大騒ぎをするクリスマスイヴもクリスマスも大人しくしたので、感染もやや右肩下がりなのだとか。
お手本がこんなことではなァ!
「お正月番組って、何で面白くないの?」なんて言いながらチャンネルをあっちゃこっちゃ。文句を言いながらふと気が付いた。
背中を丸めてテレビに文句を言っている姿って、まるでババァじゃん! 何だか惨めになってテレビを消した。
全部ではないけど箱根駅伝を見た。全部ではないけどラグビーの試合を見た。全部ではないけどサッカーの試合を見た。そして夫を思いだしてウルッとした。
お正月に夫はテレビの前でダルマになっていた。特にラグビーが好きで、ボールの行く方行く方にからだが揺れていた。トライすると我に返ってからだを正常に戻していたっけ。そんな姿をニヤニヤしながら見られていることに気が付いて、「何だよう!」とテレ笑いをしていたっけ。そして笑われていることをすぐ忘れて、また全身でボールを追っていた。
お籠もり生活が続いているうちに、外出することが面倒くさくなっていた。コロナ感染予防にはいいことだけど、デブ症……、そう!ちょっとデブになったかも。