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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

マイブーム

2021.3.20 Sat

テレビのニュースで「季節の変わり目……云々(※注 これはどこかの偉い人が官僚の書いた原稿をデンデンと読んでいたが、ウンヌンです)」と聞いて以来、荒木一郎(以下敬称略)の『空に星があるように』の歌が頭から離れなくなった。
♪春に小雨が降るように、秋に枯れ葉が散るように、それは誰にもあるような、ただの季節のかわりめの頃♪と、一つだけあった夢が消えたことを切なく歌っていた、もう50年近く昔の歌だ。
年寄りの繰り言かもしれないけど、あの頃の歌にはストーリーがあった。一編の小説のようだった。それに比べて今の歌は、神経を尖らせて聞いていても、何を言っているのか聞き取れないということは……、やっぱり加齢からくる聴力の衰えなのだろうか。
そのストーリーに自分の気持ちを重ねて、切なくなっていた。それらの歌は、オペラのアリアを歌うような、あんなにいい声でない方がいい。時々音程がやや外れている方がいい。その方がより心に染みるのかも。そう! 荒木一郎が鼻歌を歌っているようなさりげなさがいいのかもしれない。
それで最近の私は、ダミ声で限りなく外れた音程で、気が付けば ♪ただのォ季節のォかわりめェの頃ォ♪ と口ずさんでいる。
もう一曲のマイブームは佐々木勉の『あなたのすべてを』。これもたぶん50年近く昔の歌だ。
50年かァ! 数えてみると夫と初めて出会って、エッ? そろそろ55年も経っていたのかとびっくり!
荒木一郎も佐々木勉も、シンガーソングライターだ。歌手ではあるけどそんなに美声ではない。それなのにこの人たちが歌うと、どうして雰囲気があるのだろう。
目をつぶって聞いていると、胸がキュンとしてくる。この歌が流行ったあの頃に戻っている。
当分私は、気が付くとこの歌を口ずさんでは、一人で胸キュンしているのかも。
バカだね!

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