内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
またトムとジェリー?
2021.4.7 Wed
一向に減らないコロナ感染者数に怯え、私は相変わらずお籠もり生活をしている。
妹だって感染は怖いだろうけど、私よりは若いし車で移動しているからいくらか安全じゃない?と、自分勝手にも、冷蔵庫が寂しくなるとお惣菜などの援助物資を妹に送ってもらっている。野菜類はサプリで摂るから不要!だなんて、姉の特権を振り回しているなんて、なんて私は勝手なヤツなんだろう。
しかし今日の援助物資は私が言い出す前に妹が自発的に送ってくれて、冷蔵庫が冷蔵庫らしくなった。
そして先日私がちょっとダウンをしたとき、「体温が35.3℃、脈拍64、血圧134なの……」と、少し心細くなり、弱気になって妹に電話をした。
そのせいだと思うけど、今回は『パルスオキシメータ』という血液内の酸素濃度を計るものまで送ってきた。
早速指先を挟んで計ってみると数値は98で(その数字は完全にOKなんだそうだ)、今度は脈拍が83にも跳ね上がっている。
もともと体温計と血圧計は持っていて、ヒマに飽かせて体温や血圧を一日に何回も計っていたが、パルス何たらが増えて何だかいそがしくなってしまった。
その三種の神器を、今日は何回使ったことか。何度計っても数値があまり変わらないのがちょっと不満で退屈だった。
お惣菜に混ざって『石けんです』と書かれたものが入っていた。見れば分かるのに、わざわざ石けんですと書いてきたのは、以前お惣菜の箱の中に和菓子と見間違うようなものが入っていて、卑しく囓った途端私が泡を吹いたのを覚えていたのだろう。
注意書きがなくても今回は見るからに石けんだから、トムとジェリー状態にはならないぞ!と、一言文句を言っておいた。