内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
ガチャ!
2021.10.24 Sun
私の髪型のベリーショートは、3週間に一度のカットが理想なのだ。しかしなかなかタイミングが合わず、今回は二ヶ月近くも我慢して、やっと先日カットに行ってきた。
もともと癖っ毛で、だからベリーショートができるのだけど、このところその癖っ毛が酷くなって悩んでいた。同じ方向に波打つのならいいのだけど、自由気ままに丸まって、このままいくとお釈迦様のヘアーになりかねない。
担当のヒトシクンも「うねりがきつくなりましたね」と言っていた(因みにヒトシクンは、夫を介護中の私に円形脱毛症を見つけてくれた。「円形できてますよ」と)。
年齢と伴に癖が出るのは、髪のタンパク質が均等でなくなるかららしい。それと髪の水分も少なくなるからだとか。
トシをとると髪が細くなり、腰もなくなってくる。そのうち本数も減って、女性だって頭のてっぺんの地肌が見えてくる。私の場合は、まだ地肌まではいってないとのことで、でも間もなくだろう。
カットされながらおしゃべりをしていたら「親ガチャって知ってますか?」と聞かれた。若者言葉だそうだ。
語源はガチャガチャという、開けて見るまで何が入っているか分からないカプセルのおもちゃのことで、開けてみるまでは自分では中身はわからない。要するに自分では親は選べないという意味だとか。
「でもねェ!」。その親だって親ガチャだったのだし、そのまた親だって親ガチャなのだ。そうやって親ガチャを逆のぼっていくと、類人猿にたどり着くし、もっと逆のぼっていくと、海に生まれた生命体に行き着く。
私が癖っ毛なのも親ガチャで、祖父が癖っ毛だったし……。
ストレートヘアーが羨ましいけれど、私の前世がイギリス人(それも男爵)だったからと思えば諦めもつくか。