内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
アイデア
2016.11.9 Wed
今日の東京は木枯らし1号が吹いて、寒いの何のって!
こんなに 気温が上がったり下がったりでは、からだがついていけない。
しかし夫は極く寒(ごくさむ)の日も極暖(ごくあったか)の日も、やたらと散歩をしたがって私はちょっと困惑。だって外出の準備が……、ちょっとね。
全くあの散歩嫌いがどうしちゃったのだろう。
それは多分、先日軽井沢に帰ったときに持ち帰った、ダウンコートその他の防寒グッズが大いに役立っているのかもしれない。
室内と外との温度差が気になる。でもダウンコートを着て車椅子に座ると、お尻がすべるので危ない。そこで考えたのが、私独特のアイデアだ。
マジックテープで止める式のレグウオーマーを足首に巻き、膝掛けで足を包む。ダウンコートを後ろ前に着せる。そして袖を首に巻いて、耳を覆う帽子をかぶり出発進行!
「これ、軽井沢で使っていたヤツだよね」と、私の防寒グッズを覚えていたらしい。やっぱり軽井沢が懐かしいようだ。
散歩嫌いな夫がこんなに散歩に行きたがるのは、いい徴候かもしれない。
今日は、♪うさぎ追いしかの山♪を歌ったり 、啄木の「ふるさとの山に向かいて……」や「停車場に……」などと詠みながらの散歩だった。
「早く軽井沢に帰ろうね」とささやいたら、「そうしよう!」と頷いてくれた。