内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
愚痴
2016.5.3 Tue
家族を介護しているのは私だけではないとわかっているけど、やはりゴールデンウイークの高速道路の渋滞ぶりをテレビでみると寂しいものがある。
そして夫のサポートをするようになって初めて気がついたことだけれど、日本は車椅子やベビーカーに、何と優しくないこと……。横断歩道橋はあっても、それは健常者の渡るものであって、車椅子の人は相当遠くの横断歩道まで回らなくてはならない。横断歩道橋の麓にエレベーターがあるところは、都心でごくまれだ。
表通りから一本裏通りに入ると、道路がガタガタで自転車や車は我が物顔だし、歩道はビルから車が出入りしやすいように斜めになっている。これでは車椅子やベビーカーは横に倒れてしまうのは確かだ。
パラリンピックが開かれる東京で、これでいいのかなと、しみじみ思った。
週刊誌のネタだけれど、東京都で一番偉い人が、外遊の際に飛行機やホテルにスイートクラスを使ったとか、週末毎の別荘への往復に公用車を使ったとか書かれている。そのお金を、焼け石に水かもしれないけれど、弱者に使えないものかと思うのは幼稚かな?
夫のサポートを始めてから、あれやこれやと為政者の自己中心さに目がいくようになった。