内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
差別だ!
2016.11.25 Fri
昼食をガツガツ食べたせいで、頬の内側を噛んでしまった。そこが口内炎になりかかっている。早めに処置しないと、これは痛いことになりそうだ。
しかし! 口内炎になったと言うと、たいがいは「痛そう!」と、ほんとうに痛そうな顔をして同情してくれるし、同情を買うこともできる。
だけど『口内炎』には感情移入して同情するのに、世間はなぜ『痔』には冷淡なのだろう。
クスッと笑いを抑えるような顔をするのは、『痔』に対する差別以外のなにものでもない。
食べるものを入れる部位と、必要なものを中間搾取した残りを排出する部位と、どこが違うの? 両方とも大切な部位なのに。
排泄するべきものが排出されなくなると慌てるくせにさ……って、ゆうべ『痔』や『便秘』の薬のコマーシャルを見ていて、ふと思った。
差別はよくない。対等に扱うべきだ! なんて、眉をつり上げて言うほどのことはないかな?