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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

楽器と私

2023.2.23 Thu

テレビで明治大学のマンドリン倶楽部の演奏を見た。『明大のマン倶楽』といえばプロの演奏と肩を並べるほどの実力で有名だ。
それで(ってことはないけど)20代前半のとき、マンドリンに挑戦したことを思い出して苦笑いをした。
あの時、私は何故かマンドリンに挑戦したのだった。
お金がないからもちろん安物だったけれど、真剣に練習をした(しかしマンドリンの弦はスチールで、2本の弦を同時に押さえなくてはならず、指が痛いのなんのって)。
そしてあるとき友だちに弾いて聞かせた。その後二人で明大のマン倶楽の演奏会に出かけた。友人が言った「へえ~、マンドリンって、こんなにきれいな音だったんだァ!」それで私はマンドリンを止めた。
歴史を辿ると、その昔、私は『バイエルピアノ教則本』を買ってきて、高校の講堂のステージの裏にあるピアノにトライした。そして夫と生活をともにして何年か経ち、アップライトのピアノを買った。
夫は弾き語りのように歌謡曲をロマンティックに弾き、私は『チェルニー』の練習を再開した。楽譜に忠実に忠実に……。夫が言った「隣りの家のピアノの練習がうるさいって殺人事件があったけど、僕、その犯人の気持ちが分かるんだよね」それで私はピアノを止めた。
そして軽井沢に移転してフルートにトライした。普通は音が出ないそうなのだが、何故か私は初めから音が出てうれしかった。しかし……、私がフルートを吹き始めると、キャリーが引きつけをおこした。
何故だ! みんな、どうして私を傷つけるのだ! 独学とは言え、結局私がモノにした楽器って、何もないじゃないか! と思ったら、あった!『口三味線』と『法螺吹き』。

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2023.2.28 Tue 落語

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2023.2.20 Mon 埴生の宿