内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
緑
2016.5.9 Mon
この時期に雪が降ったとのニュースがあったが、北海道もすっかり緑に染まったことだろう。
大都会である東京の中心地は、緑が多い。日比谷公園だけでなく都心も緑が多くて、両側から道路を包むようにした緑のトンネルを走る(タクシーです)ときは、すっかり軽井沢気分だ。
まあ軽井沢はもともと森の町なのだが(でも最近は森の木々を切って、宅地や商業地に姿を変えつつあるけれど)、緑の多さは、そこに住む人たちの文化に対する意識の高さの表れだとか。
神宮の森は、150年後を目指して人の手で1本1本植樹をしたのだそうだ。それが100年で、あの見事な森になったと聞く。当時の為政者って素敵!
100年かァ! そういえば我が家が軽井沢に住まいを移してたかだか34年だけれど、それでもその時に植えた150センチのモミの木が7メートルほどになり、3メートルほどだったケヤキが、優に15メートルはこしているだろう。でも何年もかけて育った木を切るのは1分もいらない。
ニューヨークのセントラルパークは、あの木々は計画的に人間の手で植えられたそうだ。それがあんなに立派な公園になった。イギリスだってフランスだって緑は多い。公園が多い。為政者たちとそこに住む人たちの文化意識かァ!