内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
気をつけましょう
2017.1.18 Wed
まだパソコンの『パ』の字も知らなかったころ、そして振り込めサギがまだ無かった(多分)ころ、私のところに一通のハガキが届いた。通信販売で買った化粧品の代金がまだ支払われてない。裁判に訴える。裁判沙汰にしたくなかったら、早急に返事を下さいというものだった。返事もせず裁判所からの呼び出しにも応えなかったときは、裁判に負けたことになりますなどと、脅しのような内容だった。
私は通信販売で化粧品など買ったことはないのに、そんなことで裁判所から呼び出されて出廷しなかったら……なんて、ちょっとビビったことは確かだ。
でも完全無視したら、そのまま未だに音沙汰はない。
そしてパソコン!
なぜだか去年の8月ころから、私のところに迷惑なメールが来始めた。
差出人も件名もすべてが英語だ。残念なことに私は英語は、関西弁で言うところの「ワヤ」や。すべて削除して、丁寧に消去していた。
その数が500通を越えた10月ころから、いちいち消去するのが面倒くさくて、削除だけにしていたら、1月17日現在その数が何と1500通を越えた。半年で2000通を越える迷惑メールで、まったく迷惑なことだ。
毎日パソコンを立ち上げたとたんに、ババババババ……って40通近くもでは、全く不愉快になる。だいいちババ……なんて、高齢者に対して失礼だ。
差出人も件名も英語だから削除しやすいけれど、最近は件名が「発注書」や「請求書の件」などと日本語が増え始めた。そして「添付写真について」ときて、とうとう「写真ご送付いただきましてありがとうございました」だって。
どんな写真だか知らないけれど、件名が日本語となってくると気をつけなければならない。
海外に住む友人たちの差出名はローマ字表記だから、うっかり削除をして慌てて削除したものを開き直さなければならない。
ほんとうに迷惑な事だけど、私が送ったという写真ってどんなだろうなんて少し気になる。でも開いてはダメ!
気をつけましょう。