内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
トシ……!
2016.5.19 Thu
トシをとるということはこういうこと……と、しみじみ思わされた。
常日頃、私はメニエール病の気があるから、表を歩くときは気をつけるように言われていた。気をつけるといってもなァと思いながらも、一応気は遣っていた(つもり)。
それなのに先日、出先で頭の中が一瞬空白になって、「アッ!」と気がついたら階段を一段踏み外し、両手両足をついて転んでいた。
何人もの人が駆け寄ってきて「大丈夫ですか?」と声を掛けて下さったけれど、その時はただ恥ずかしく「大丈夫です。ありがとうございます」と、逃げるようにして帰宅をした。すぐ消毒をして手当をしたけれど、両膝をすりむいていて痛いの何のって……。ストッキングがやぶけてなくてよかった……なんて負け惜しみを言いながら、痛てッ!痛てッ!と泣き笑い。
そのことを妹に報告をしたら「青タンになってない?」。なってない!なってない!と自慢をした2日後、すりむいた回りが見事に青タンに……。そして両腕の筋肉痛は、両手をついた時の負荷かららしい。
以前は筋肉痛なんて、その日のうちに出ていた。それが2日後に出るなんて、私もトシをとったものだと、転んだことと同じくらいショックだ。
メニエール病は先進国の人に多く、後進国の人には少ないことから、ストレスが関係しているのではないかと言われているらしい(物の本に書いてあった)。
そうか! このところの私は半端じゃなくストレスの塊だし、そうか! 私は先進国の人間だったのかと、でもこの場合、擦り傷と筋肉の痛みがこんななら、私は先進国の人間でなくていいと思った。
ストレス……、大嫌い!