内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

寂しい

2017.5.7 Sun

軽井沢に帰って来てまだ2泊目だけど……。
浅見光彦記念館に行ったりティーサロン「軽井沢の芽衣」に行ったりしたけど、軽井沢はずいぶん建て物が増えた。木々の間にひっそりと建つのではなく、道路に面した所に堂々とした大きな建て物。
やはり軽井沢は、保養地から観光地に変身したようだ。ひっそりと穏やかな明け暮れを願って移住したつもりの私は、かなり寂しい。
寂しいといえば、軽井沢に移住した頃は朝の目覚ましは、うるさいほどの小鳥の声だった。空が白むのを待ち切れなくて囀りまくっていたはずなのに、その声も極端に少なくなった。
おかげで今朝なんて寝坊をしてしまったじゃん！（寝坊をしたのを、他人のせいにするな）
キツネがすがたを消し、リスが来なくなり、小鳥の声が減り、むかし私が恋をした軽井沢はどこかにすがたを消してしまったようだ。
仕事の量を減らし、これからは静かで穏やかに暮らそうと約束をした夫は倒れてしまうし……。
私、寂しいよう！


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