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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

同窓会

2019.3.13 Wed

あの日からもう1年が過ぎてしまった。
延命措置はしない、お葬式もしない、お墓も作らない……と約束をして、そのすべてを実行した。約束だとはいえ、残された私にとって、決断のいる辛いことだった。
ただお墓だけは『文学者の墓』に眠らせてもらう。
『文学者の墓』は無宗教だし、そこに眠るのは配偶者のみだから私たちにはぴったりで、ずい分以前から確保してあった。それで倶楽部(※)のイベントとして、そこに眠るはずの本人参加で「お墓見学ツアー」だってしたことがある。
お葬式はしないけれど記念館での献花を……との、本人の希望は叶えた。その時献花にきて下さった方々に、私はほんとうに感謝感謝の気持ちだ。これだけの方々に愛されている『内田康夫』とその作品を守らなくてはと、事務局スタッフと思いを新たにしたものだ。
『内田康夫』の作品は時代を超えて読み継がれる作品だ。また読み継がれなくてはいけない作品なのだと思った。
献花のあと、自分たちもお別れ会をしたいと、担当編集者の方々から申し出があった。しかし以前は担当だったけれど今は違うという方や、定年退職をした方々は?と、それでは『内田康夫担当編集者同窓会』と銘打って、去年7月にお集まりいただいた。
都合のつかないかたもいらっしゃったが、何と会社を乗り越えた60名近くの方が集まって、まさに同窓会になっていた。
遺影そっちのけでワイワイガヤガヤと話に花が咲いている。遺影の本人(校長先生?)はその様子にご満悦だったのだろう。いまにも笑い出しそうな、うれしそうな顔をしていた。
そして1年。今年も同窓会を開くそうだ。『校長先生』は大喜びして参加することだろう。
聞くところによると、読者の中にも仲間が集まって一周忌を開く方がいるらしい。そのすべてに、センセは影ながら参加していると思う。
副校長……なんておこがましいので、むかしで言うところの小使いさんは「うれしい!うれしい!ありがとう!ありがとう!感謝!感謝!」です。

※事務局注)浅見光彦倶楽部は、現在の「浅見光彦 友の会」の前身です。

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2019.3.6 Wed 虫めずる姫