内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
体型
2017.6.24 Sat
テレビ報道によると(噂話だけど)、オバマ元アメリカ大統領は、タキシードを在任中は一着も新調してなかったそうだ。8年間も体型を変えなかったと、感心のあまり、キャスターたちはため息をついていた。
オバマさんの歩く姿は、確かにカッコいい。
そしてテレビによると夫人もマスコミを気にしてか、イヴニングドレスを、それほど作らなかった……と。
新調しなくたって、夫人のドレス姿もカッコいい。デザインがいかにもインテリ女性そのものだ。
自慢じゃないけど(と言うときは、自慢なのだ!)、6回もワールドクルーズを経験している我が夫だって、黒いタキシードはその間ずっと一着を着回していた(ちゃんとクリーニングはしていたけど)。
……ということは、夫は16年間も体型を変えなかったということにつながる。
ついでに自慢をしちゃうと、私のローブデコルテだって16年も着た。それでも本当のことを言うと、'14年の最後になってしまったワールドクルーズの時に着た時は、一寸きつかった。
男性のズボンはウエストにアジャスターがついていて、ある程度は融通が効くが、ローブデコルテはすぽっと脱げ落ちないように、がっちりとした下着が縫い付けられている。それを着続けたのだから……(自慢!)
体型を変えないようにいくら頑張っても、年齢と共に内蔵は下がっていき、それはお腹のポッコリにつながる。
あの日のローブデコルテはきつかった。船のクルーに「あらッ! そのドレス、初めてのクルージングの時に着てらした? まだ着られるって、凄いですね」と言われたが、絶えずお腹を引っ込めるようにしていた私は「ええ、まァ」と、でも苦しかったんだから。
私は体型を変えないように絶えず意識して頑張っていたけれど、夫の介護が始まってからは体型維持のことなど、すっかり忘れていた。ハッと気がついたら……。
体型はわがままだ。私の知らないうちに、お腹まわりが多分4センチは増えているかも。怖くて計れないけれど、タイトスカートがキツキツなのでわかる。
もうあのローブデコルテはお蔵入りだ。残念!