内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
ねじれ
2017.6.29 Thu
私の肩は右が下がっている。『右肩下がり』なんて縁起が悪いけど、生まれつきだから仕方がない。体育の授業で「気をつけッ!」の時、いつも後ろから肩を治されていた。
直されても、背骨自体が曲がっているのだからどうしようもない。その時は意識して右肩を上げるのだけど、すぐ元にもどってしまう。
背骨が曲がっているせいか、私はずっと肩凝りだった。相当の肩凝り性で、ピップエレキバンを両肩合わせて18個も貼ったこともある。でも絆創膏のところが、すぐ痒い痒いになるのには困った。
鍼がいいよと言われれて鍼をやったが、私にはあまり効果がなかった。そして焼きそばが出来るのではないかと思えるほど、肩は鉄板状態になっていた。
そして解った。 究極の肩凝りは頭がボーッっとして、思考能力が低下するということが。
私のバカは肩凝りのせいだった。そして試した(試させられた?)のが、整体だった。
整体はいいよと薦められたが、根がズボラなものだから、なかなか実行に移せないでいた。
しかし妹が勝手に予約してしまったので、仕方なく出かけた。おっかなビックリだった。
噂によると関節をひねり上げられて、骨がバリバリッと鳴り、飛び上がるほど痛いのだそうだ。でもその後は楽になるよと聞いていた。
そんな痛い思いをしてまで……と、私の番が来てベッドに上がった。
アレッ? 痛くもなんともない。それで整体師(?)に聞いた。「整体は痛いと聞いていたのですが」
「ここでは整体ではなく、背骨のねじれを直すのです」とのこと。ついでに聞いた。「私の心のねじれも直していただけませんか?」
それは無理だった。相手が真面目な方なのに、ジョークを飛ばす私は、やっぱりバカだった。
私にはその施術が合っていたみたい。それ以来ピップは一度も貼ってない。
もしかしたら私、ピップの会社に悪いことをしたかも……。
施術が落ち着くまでは週に一回が理想ですと言われたが、夫がいるのでそれは無理。
今は合間を見つけて通うことにした。でも肩凝りが減少したら、きっと行かなくなるだろうな。