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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

切ないぞ!

2018.4.28 Sat

ゴールデンウイークは軽井沢で……と思って、軽井沢に戻ってきた。
軽井沢は芽吹き始めた緑が柔らかくて美しい。人間の年齢に換算すると14、5才というところか。もっとも今の14、5才って、昔の20才過ぎかもしれない。
妙に物知りで『恥じらい』という言葉も死語になりつつあるかも。
小鳥のナマの声を、久しぶりに聞いた。あれはラブコールなのかな?
ウグイスの下手くそな声もする。
突然 ♪ 空にさえずる鳥の声 ♪ と『天然の美』という歌を思い出した。
ああ軽井沢!! ほんとうに天然の美だ。
でも、いまの私に、軽井沢の森の暮らしは寂しすぎる。
36年ほど昔の今ごろ、戸隠への取材の帰りに通りかかった軽井沢に恋をした私。そして恋を成就させて、夫と二人でどっぷりと幸せに浸っていたのだった。
そんな幸せな思い出がいっぱいの軽井沢で、森の中での暮らしは寂しすぎる。軽井沢は幸せな時間を過ごすところだと、今の私にはちょっと切ない。
風になって、いつも私のそばにいると思っていても、やはり切ない。
そんな私が現実に戻るのは、夫の書斎を片付ける時にあまりの散らかりように、どこから手をつければいいのかため息をつく時(それはそれで切なくなるのだけど)と、自分以外の人と話す時かな?
夫を亡くした妻が立ち直るには1年かかると聞く。私はどれくらいかかるのだろう。
キャリーが亡くなってから立ち直るのに2年かかったから、さて?

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