内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
姫島
2019.5.12 Sun
NHKの日曜日朝の『小さな旅』は、朝ご飯を食べながらいつも見ている。
朝ご飯? 軽井沢のセンセが、その不満を光彦さんにボヤかせている、毎度お馴染みのトースト(バター & ハチミツ or ジャム付き)に大盛りサラダ。
そして青汁とコラーゲン入りの牛乳。センセにはそれに加えてハムエッグ or ウインナソーセージ or スクランブルエッグ etc.だった。夫がいなくなっても、私の朝食は100日が1日の如く変わりない。
……って、今朝の『小さな旅』は大分県の『姫島』だった。
『姫島殺人事件』のときの取材に、私はついて行ってないが、著書を読んでいてその場所の風景はおおよそ分かる。
ぽっかり浮かぶ小さな島の民家。家々の細い路地を見た時、そこを歩く白い帽子の夫の姿が浮かんだ。好奇心いっぱいで歩きながら、風景やその土地の人たちの心を、目の端で感じ取っている夫。
ちょっと胸キュンだったかな?……というより、2人でおしゃべり(独り言?)しながら見ていた。
しかし私が思っている姫島は養殖エビのイメージだった。エビが出てくるかなと思いながら見ていたが、テレビでは漁師さんの漁の鯛を撮っていた。
まア漁師さんだからエビだけでなく鯛もあるのだろうけど、私には小説のイメージがしっかりと根付いていたのだった。
大分県の耶馬溪が台風の被害に遭ったときも、『姫島殺人事件』でその名前を知っていたし、内田作品の影響は大きくタメになる。教養が身につくって、褒めすぎ?
いま読み返している『しまなみ幻想』が終わったら、『姫島殺人事件』を読み返そうっと。