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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

思い出

2019.9.1 Sun

『浅見光彦記念館』の片隅に、ワールドクルーズの写真付き紀行文が3冊置いてある。
そこに座り込んで夢中で読んでいる方がいた。そんなにいい事が書かれているのかと、その方が席を立つのを待って私も席に座った。
2008年、2011年、2014年のワールドクルーズ。思わず読み耽ってしまった。読んでくださる方には普通の紀行文だろうけど、私にはあんな事こんな事と、思い出がたくさん飛び出してくる。
ワールドクルーズに出るたびに夫は、会員さんに約束していた。
「クルージングの報告を船からブログで送ります」。
「船あてに手紙をくださった方には、船から返事を出します」。
ご存知の通り、夫はその3クルーズ中、一度も一通も約束を守ったことはない。全て私の仕事になっていた。バカな事ばかり言っている私だけど、根は小心で真面目なのだ。夫が約束したにしても、約束は守らなくてはと、日記のように毎日毎日パソコンを叩いていた。そして港に着く度に届いているお手紙に返事を書いて、次の寄港地で投函していた(だからハワイで投函したハガキは、私たちが帰国した後で届いた)。
従って、港に着くとまず「絵はがき、絵はがき……」とお土産やさんに走り込んだものだ。
絵はがきの数は、100枚を越していた。
2017年もそうなるはずだったのにと、たくさんの思い出の後に胸キュン!
もう私のワールドクルーズは終わってしまった。

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2019.9.6 Fri 匂い臭い