内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
いつまで?
2021.6.13 Sun
コロナ禍はいつになったら収まるのだろう。
「外国に比べたら、日本の感染者数は『屁』みたいなものだ」とブログに書いて、退職した偉い人がいた。それ以前にも「日本の感染者数は、外国に比べたら40分の1じゃないか」と発言した人がいたけど、私は『屁』にはなりたくないし、40分の1の一人にはなりたくない。
それでビクビクして、回遊魚とだってもう1年以上会ってない。大好きなバレエからも足が遠のいているし、外食だって全くしてない。ずっとずっとお籠もりで、日常の必要品を行くのも1週間か10日に一度くらいだ。
電話の会話だっていつの間にか「コロナ、いつ終わるのかしら」になり、必要以上に怖がっているのかもしれないけどユーウツで、これではウツっぽくならないはずがない。心が固まってしまうに決まっている。
東京・軽井沢の往復は友だちの情けに頼っているし、タヌキだキツネがどうしてこうしたなんてことが慰めだなんて……、でもそれもアリだけど。
テレビの前で、路上で飲酒している人たちや繁華街に出歩く人たちの悪口を言いながら、コロナが収束した後の人間関係が元に戻るのだろうか等々考えていると、虚しくなってくる。
1年以上会ってない回遊魚Aから「どうせ電話はつながらないだろうし、あなたはワクチンのネット予約なんてできないだろうから申し込んであげる」と電話があった。事務所のスタッフが私の代わりにネット予約をしてくれると言うのだ。回遊魚Aがネット予約だなんて洒落たことができるわけないと思ったがやはりね……と、でもうれしかった。
案の定私がかけた電話には「こちらNTTドコモです。ただいま電話が……」だったけど、「予約取れたよ」。そして「お互いにちゃんとワクチンを2回接種して、秋にはご飯食べに行こう!」と明るい声だった。
「センセがいなくなってから、寂しがっているでしょ」と、私にはいい友人がいたのだった。コロナ収束後が何だカンだと言っていたけど、人間の心なんて簡単に変わるはずはないのだ。
でもホント! コロナの収束は来るのだろうか……と思ったら、またユーウツになってきた。