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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

付いていけない

2021.12.12 Sun

夫が2014年の11月に神経障害という病気で倒れ、闘病中にも執筆を続けていたが2018年3月に生命の灯が消えた。そして3年9ヶ月が過ぎた。
闘病中もその後も、私はいろいろな方のお世話になり励まされて時間は過ぎた。友だちと遊びもせずそのうちコロナ禍で家に閉じこもり、そして私は浦島太郎になっていた。私は女だから『浦島太郎美』?
先日、たぶん8年以上ぶりに(変な日本語!)友人に誘われて、六本木で食事をした。もちろんマスクをして、ソーシャルディスタンスは守った。せっかく六本木に出たのだからと、食事の後に友人と別れてミッドタウンのユニクロに立ち寄った。なぜミッドタウンかって? それは私がミッドタウンのメンバーズカードを持っていたことを思い出したから。
私もそのうちの一人なのだけど、結構な人出だった。ただ日本人の律儀な国民性なのか、100%に近い人がマスクをしていた(軽井沢の誰もいない森の中での散歩でさえ、マスクをする国民性! 1日4万人も5万人も感染者を出す国よ! 少し見習え!って、私の前世の国もそうだった)。
セーター2枚と下着3枚を買っていざレジに向かって、オバサンは困った。レジには誰もいないのだ。若いお客たちは何台もあるレジと覚しき所にかごを乗せて、画面をタッチしてカードをシュッ!と通している。何だ?何だ?訳が分からない。
浦島太郎美のオバサンは近くにいるお兄さんに助けを求めた。
たまげた! 品物を雑に入れたかごを指定された台に置くと、コンピューターがかごの中の商品の点数と値段を、間違いなく勝手に表示している。
あとは指示通りにメンバーズカードとクレジットカードを通してお終い。コンピューターに間違いはなかった。
こんなことテレビのニュースの中のことと思っていたら、時代は動いていたのだ。これでは人間は要らなくなる。仕事にあぶれる人が増えるに違いない。
仕事が欲しくて、人間がコンピューターにゴマを擦る時代が来るのかも。
まアその頃私は、ご先祖様になっているからいいや!

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