内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
地球軸
2022.6.3 Fri
今年は4月初めに夏日になったり、5月になってから寒くなったりして体調を維持するのが大変だった。
5月なのに軽井沢の日中の最高気温が7℃だったり、最低気温が2℃の日もあって地球は壊れていると思った。
そういえば何年か前、友人たちとバカ話をしていた時、そのうちの一人が「地球の軸がずれていて、少しずつ少しずつ北極と南極が入れ替わり始めているだっ て……」と言い出した。
気候がおかしいのはそのせいなのだそうだ。その場にいた私たちは「へえ……」「へえ……」と言いながら、「じゃ、そのうち日本は南半球になるんだ」とか「いや、南と北が入れ替わるんだから、今の南が北になって北が南になるのだから、日本の北半球は変わらないんじゃない?」とか、「そうなったら北極熊は南極熊になるわけだ」と訳の分からないことになってしまった。
「でも少しずつ入れ替わるのならいいけど、ある日突然入れ替わったら、その瞬間足を踏ん張って何かにつかまってないと、遠心力で宇宙に放りだされるんじゃない? そんなの困っちゃう」と、類は友を呼ぶって本当だ。
地球の軸の話ではないけれど、洗面台の水が流れるとき、北半球では左に渦をまいて流れるけど南半球では右に渦を巻くらしいと聞いた。
ワールドクルーズの時確かめてみた。北半球と同じだった。そして南半球の地図は、南が上になっていると聞いたけど、南半球で見た地図は、やはり北が上になっていた。
北だとか南だとか言う方も言う方だが、実験する方もする方だ。
『森の石松』ではないけれど、♪バカは死ななきゃ直らない♪……のかな?