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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

山内一豊の妻

2022.9.1 Thu

山内一豊の妻・千代は結婚するときに、いずれ困ったときに使うようにと、親からお金を貰っていた。私が聞いた話では、鏡台の裏側に隠してあったらしい。いわゆる持参金をへそくっていた?
その後、いざ!という時に夫のためにそのお金で名馬を買い、おかげで一豊は出世をした。それからも夫に尽くして、千代は『山内一豊の妻』という賢夫人の代名詞にもなった。
今でこそ賢夫人の代名詞になっているが、現代だったら夫の死後に相続税が発生したとき、安くはない名馬の代金の出所はどう扱われるのだろう。
名馬を買ったお金は結婚前の千代のものだし、そのお金のおかげで夫が出世して生活は豊かになった。
名馬を買ったお金は結婚前の千代さんのお金だから夫への贈与金になるのか、元元は千代のお金だから、相続金から馬の代金は差し引かれるのだろうか。
たぶん当時は相続税なんてなかったのだろうから、余計なお世話かな?
私は夫と知り合うまで、たぶん一生シングルだろうと思っていた。独身主義ではなかったけれどモテなっかたし、ずっと結婚には縁がないと思い込んでいたのだ。
でも年金だけが頼りの老後は嫌だと、優雅な老後を目指して貯蓄に励んでいた。
まァ何かのご縁でシングルにならずにすみ、その後『優雅な老後のための貯金』は夫の自費出版代に当てた。
その自費出版した本がきっかけで、夫は一応ベストセラー作家と相成った。それで冗談だけど私は自称『山内一豊の妻の一子』で~すと、笑いをとっていた。
夫が亡くなり相続税が発生したとき、あの自費出版代の領収証をとっておけばよかったなと思った。とってあったとしても40年以上も昔の領収証って、無効だっただろうけれど、あのころは税に対する知識がなかったから……とブツブツ。
夫が亡くなってから、世の中の理不尽なことを含めていろいろと税金の仕組みを知った。 人間いくつになっても勉強の材料はあるものだ。
でもこの勉強はちょと遅すぎた。

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