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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

認知症

2022.10.4 Tue

運転免許証更新の案内がきた。どうしよう!
高齢者の運転する交通事故が増えたせいで、何年か前から高齢者の免許更新が厳しくなり、75歳以上の人は3年ごとに認知機能の検査があるのだ。
認知機能テストで49点未満の人は医師の診断が必要になり、49点以上76点未満の人は3時間の講習、76点以上の人は2時間の講習を受けてから免許更新されるようだ……と本に書いてあった。
私は見た目は若く見られるが、中身は年齢相応に自己嫌悪になるほど物忘れがひどくなった。約束事はほぼ忘れることはないのだが、ワールドクルーズで訪れた場所の風景は思い浮かんでも、地名が出て来ない。ふだん親しくしている人もちょっと会わないでいると、顔やファミリーネームは覚えているけどファーストネームが出て来ないこともある。そして本や映画の内容は覚えていても、作家や俳優やタイトルが出て来ない(その逆もある)。何だっけ何だっけと考えても出て来ず、しばらくして関係ないときにボコッと出てきたりして。
そんな物忘れをしないためにと、テレビで具体例をあげて対策を説明していた。
しかしちょっと時間が経つと、その具体例の対策……、あれは何だっけ状態なのだ。どうすればいいと思う?
前回の認知機能検査のとき、私は100点満点の92点だった。学校時代にはこんな点数をとったことがないのでちょっと自慢で、あっちでペラペラ、こっちでペラペラと自慢しまくった。それだけに今年3時間の講習になったらどうしようと、今から胸がドキドキ(自慢しなきゃよかった)。
まァ、医者の診断まではいかないだろうけど、でも心配。
軽井沢は車がないと自由な行動はおろか、買い物にも行けないからなァ!
認知機能検査対策のための本を買って勉強しているけれど、ページを閉じたら何が書いてあったか、もう忘れているんだものなァ。
駄目だ、こりゃ!

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2022.10.10 Mon 記憶の中の殺人