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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

ボケ

2023.1.19 Thu

やはり私の脳の機能は、完全に衰えているらしい。
もともと物覚えは悪く(だから学校の成績も悪かったのはそのせいだ)、学校の通信簿に関係しない知識ばかりを吸収していたに違いない。
その記憶の底に残っていたくだらない知識さえも、今はどんどん後退しているのが自分でも分かる。
テレビ番組のバックに『暗いはしけ』という曲が流れていた。歌の意味は分からないけれど、メロディーは覚えていた。
この音楽は私が高校生のころ流行っていたはずだ。女性の歌手が、低音の暗ァい声で歌ってた……ということを思いだした。
ワールドクルーズの時に立ち寄ったポルトガルで、何十年ぶりにこの歌を聞いて、この歌はポルトガルの歌だったんだと、そのとき知った。
例えば日本で言えば民謡みたいなもので、「ポルトガルでは何て言うんだっけ。何だっけ? アッ! アマリア・ドロリゲスという歌手だった」。
アマリア・ドロリゲスという歌手の名前まで出てきているのに……とじれったくなって、iPadの世話になった。こんな時は考えるという行為がボケ予防になるのだそうだが、じれったさのほうが勝った。
『ファド』だった。分かってみれば「なアんだ!」なのだけど、最近はこんなふうに脳の機能の衰えを実感することが多い。嫌になってしまう。マッカーサーが「老兵は消えゆくのみ」と言っけど、その通りなんだ。
因みに『ファド』は貧しい労働者たちが路地裏でイワシを焼きながら、ブチブチと愚痴る歌だと、あの時のガイドさんが言っていたっけ。
分かってからしばらく、『暗いはしけ』のメロディーが頭(?)から離れなかった。

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