内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
うれしいこと
2016.12.21 Wed
このところ夫と百人一首の詠み競べをしていなかったのだけど、久ぶりに復活した。
まァびっくり! 私が本を見ながら頭の五文字を詠むだけで、夫は百首全部をまだ覚えている。
小学生のときからカルタ会をしていたからね……と、やはり光彦さんだ。
子どもの頃、10代から20代前半に頭に入った知識は永遠だと、あらためて感じた。
だからそのころに義務教育があるのだ……と。
自慢じゃないけど、私なんてずっと『夢想・空想』だけで過ごしてきたから、50首を覚えているかどうか。
そんなことを言っていると、夫が「ぼくも、そろそろ何かを書く準備をしなくちゃ……。このままだと頭が鈍ってしまう」と言い出した。久しぶりの百人一首に刺激されたのだろうか。
「短歌なんかどうかなァ?」と言う。いいじゃん!いいじゃん! 著書に『歌枕かるいざわ 軽井沢百首百景』で百首詠んでいるくらいだから。いいじゃん!いいじゃん!
私は高校時代に一首詠んだ覚えがある程度だから、俵万智さんの短歌に関する本を3冊も買ってきて、にわか仕込みで勉強することにした。
いつか短歌集を発表できるといいな。いや! 発表させなきゃ……と、夢が生まれた。