内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

寂しいな

2016.12.29 Thu

「カレンダーが最後の一枚になった」なんて言っていたのが、つい昨日？
いや一昨日？……のようだ。いよいよ日めくりカレンダーが、あと3枚だけになってしまった。
そろそろ帰省ラッシュが始まるようだし、おせちの宣伝も追い込みに入っている。時間の流れは、なんと早いのだ。
せわしなく動く世間から離れて、それは私だけではないけれど、病人や介護に従事している人たちはいつもと変わりない1年の終わりを迎えようとしている。
私も夫も、いつになったら軽井沢に帰れるようになるのだろう。
「軽井沢の、このあいだ降った雪は我が家あたりでは解けずに凍っているのだろうね……」だの、「枯れ枝に引っかかったような白い月を、湯船につかりながら見るなんて最高だったね」なんてことを、二人で話し合っては「帰りたいね」のオンパレード。
それでなくても寂しいのに、年の暮れが寂しさに拍車をかけているようだ。
テレビを見ていたら、北海道のどこだったかは－25℃で、ダイヤモンドダストが見られたって。自慢じゃないけど（自慢だ！）、私だって30年前の軽井沢でダイヤモンドダストを見たもんね。抜けるような青空に、それは幻想的だった。
いつのまにか温暖化が始まり、ダイヤモンドダスト自体が幻想になってしまったけれど、浅間山が冠雪してからの風花の舞いもきれいだった。
……、あ～あ！　寂しいな。