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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

残念!

2017.2.25 Sat

NHKの夕方のニュース番組『シブ5時』という番組を、見るともなく見ていた。
途中『悩み相談 渋護寺』という、視聴者からの悩み相談を受けるコーナーがある。そこで、「私はいつも愚痴ってばかりいるけど、愚痴らないようにするにはどうしたらいいか……」という悩みに答えていた。
愚痴……。
何がどうってことはよく覚えてないのだけど、愚痴を言うと脳の一部が反応して、年齢より早く老けてしまうのだそうだ。ゲゲッ!と思ったが、私は愚痴というより悪口の方が多い。
随分むかし、ある高名な画家が「人間は悪口が多いとトシをとらないそうですよ」とおっしゃっていた。「悪口といっても個人的な悪口ではなく、社会一般に対しての悪口ですけど」と。
それで二人して「政治家って、当選したころはいいのだけど、大物になるほど顔つきが悪くなるのはどうしてでしょうねェ」だの、「昔の政治家は本当に日本のことを思って身上を潰していたのに、今の政治家って、みんなお金持ちになってますねェ」的なことを言っては鬱憤を晴らしていた。
政治家に対しての悪口は今も変わらないけれど、最近の私は悪口の対象が増えた。
「最近のアナウンサーやお天気おねえさんって、知的魅力より女子力の方がアップしてきた。大半が同じようなメイクで、あの頬紅はおてもやんかくまもんか。せっかくの知性を化粧で塗りつぶすなんて勿体ない」だの、「フランス人形のようなヘアスタイルや、アップした髪のてっぺんにメロンパンを隠し持ってるみたい」なんて、テレビのこっち側で当人に聞こえないことをいいことに、言いたいことを言っている。
それは私のないものねだりから出る悪口だから、私は一向に若さは保ってない。
悪口を言いながら自分の手を見ると、シワシワ・ガバガバで100%老女の手だった。
残念!

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2017.2.22 Wed 言い訳