内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
やってまった!
2018.5.15 Tue
今の私の起床は7時頃。
ニュースを見ながら朝食の支度をして、一人ボソボソと味気なく食べて、そのまま自堕落な格好(物を食べるときはちゃんと背筋を伸ばしている。念のため)で『半分、青い。』を見ている。
その影響での現在のマイブームは『やってまった!』。
ほんとうに『やってまった!』
知り合いの画家から個展の案内が来た。場所は私の大好きな青山だって……。行かないわけが見つからない。もちろん行った。
その日は銀座で用事があるからそれを済ませて、ついでに顔を出そう。表参道駅は銀座線だから直通だし、ついでに顔を出そうと思った。
個展に顔を出すのは何年ぶりだろう。そうしたら妹も行くという。
地図を見ると地下鉄『表参道駅』で、渋谷に一番近い出口……と案内板で探すと、一度地下に下りるようだ。
「あった、あった」と階段を見上げると「ゲゲゲ!!」。何と言うこと。青山通りに出るには、地下2階から階段を上らなければならないらしい。
「エッ? エッ?」と思ったが、何と言う無謀というか考えのなさ! 頭の中では「車椅子の人や老人(私も充分老人の仲間だけれど)に、何たる不親切」と思いながら、他には何も思わずに上がってしまった。
妹は私を庇いながら(たぶん!)上がって行くし、目の前には青学の学生らしい若者がずんずん上がっているしで、つられてしまったのかな? と他人のせいにして『やってまった!』
夕方、夫の介護ファーストで、きちんと治してなかった疲労骨折のところがズキンズキン。
足の甲にスリッパが当たってもズキン!(頭巾なら顔を隠せるのだけど)
おかげで翌日に行くことになっていた古澤巌さんのコンサートには、妹の友だちがラッキー! の状態になって私は残念!
あとでよく考えたら(考えなくても)、ほかの場所にエレベーターやエスカレーターがない筈がないと個展……ではない、コテン!と転けてしまった。