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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

美人薄命

2022.6.21 Tue

そもそも何の話からそうなったのかは分からないが、美容院でヒトシくんにカットをしてもらいながら、『美人薄命』って本当の意味は何だろうというおしゃべりになった。(もしかしたらだけど、彼は私を見てそう思ったのかも……。そん なことないか!)
この美容院は、それぞれの鏡の前に女性雑誌ではなくiPadを置いてある。早速調べた。
『美しい人は、とかく病弱であったり、数奇な運命にもてあそばれたりして、短命なこと』で『薄命はふしあわせの意味』だって……と、iPadを見せて、二人とも納得。
そういえば私は15歳くらいまでは腺病質で、しょっちゅう病気をしていた。
ちょっとふっくらしてきたかな?と思うと原因も分からず寝込んで、親に心配をかけた痩せっぽちな子供だった。高校に入ったころ、祖母に「おまえはここまでよく生きてくれたものだ」と言われたことがあった。
以前、何かの冗談で「美人薄命って言うし、私、死ぬかもしれない」と言ったとき、夫は「二十歳までに死なないと薄命とは言わないんだよ。これだけ長生きしては、もう美人の範疇を超えたんじゃない?。今では棍棒でブッ叩いても死にそうにない」と笑われた。クッソオ! ここまで来たら意地でも長生きしてやる(下品でごめんなさい)。
いつだったか、何人かが集まって会話が弾んで、夫が言ったその話をしてヘラヘラ笑いながら言っていたら「先生はなんてことを……ひどい!」と眉をひそめた人がいた。冗談の通じない人だった。
ブラックジョークって、お互いに濃い信頼関係があって、同じレベルの冗談のセンスを持ち合わせている人でないと言ってはいけないのだと反省したが、私はその反省は3歩あるくと忘れてしまうから。
そしてため息。薄命かァ! 二十歳をもう何回も往復して、お腹ぽっこりになってしまったからもう『美人』なんて言葉は、冷蔵庫の中で忘れられて腐ってしまった野菜だわ。こうなったら『美人長命』って言葉を……ムリか! 日本は世界一の長寿国だから、日本は『美人』だらけになってしまう。
病弱で痩せていたころが懐かしいこの頃。でも健康が一番。私が健康だったからこそ、夫を後悔なく介護ができたのだから。
コホッ! コホッ!(病弱で薄幸の私の咳のつもり)

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